ミッツケールちゃんの「みつける よのなか」blog

世の中のいろんなことを考察して深めたいミッツケールちゃんのブログ。本やテレビ、ニュースについて、あちこち寄り道しつつ綴ります。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

加害者ケアの必要性―悪への非難は、新たな事件として社会に跳ね返る

「悪い奴はやはり悪かった」では終わらない。「人を死なせたのだから苦しむのは自業自得」だと、刑罰以上に加害者を追い詰めても、社会として得はない。二次被害防止のために、加害者にもケアが必要だ。

「トロッコ問題は授業に不適切」という人にこそトロッコ問題を

不適切だという批判に対し、意図を説明できない学校は、トロッコ問題の本質を理解していない。謝罪した時点で「適切か否か」という二者択一の問題に不正解したと言っているようなもの。正解のない思考実験を扱うには覚悟が足りない。

「無償の愛」は相手という人間を無視した搾取―書評★森があふれる(彩瀬まる)

夫婦とはもっとも近い存在でありながら、他人なのだ。近くにいるから見えないこともある。世の中にあふれている夫婦という形。その奥には何があるのか。

日常的に”火事場”を生きる火事場泥棒

火事場泥棒たちは果たして、本当にただの加害者なのだろうか。日ごろより社会から締め出されてきて、日常的に”火事場”を生きている被害者という側面もあるかもしれない。

水墨画でひも解く「美しさとは」★書評「線は、僕を描く」砥上裕將

水墨画と聞いて、どんなイメージを持つだろうか。地味、お年寄りの趣味、どれも同じに見える……そんなイメージが払拭される秀作が話題だ。黒一色で描き上げられた一幅の水墨画に、何が押し込められているのか。この世の美しさというものに、描き手の精神性が…

既得権益など守る必要ない、と言うけれど――無駄が一掃されない理由

既得権益を分解すれば「人権」だ――。過去の中心的存在に「本当に今も必要なのか?」という疑惑がかけられるのは今に始まったことではない。新技術が日々生まれる分、新しく”無駄”に認定される人たちも日々生まれる。大目に見てもらって、日常の安寧を得てい…

ポケモン&FFで考える、ベンフォードの法則(数学)

ベンフォードの法則を、RPGで直感的に考えてみる。 ピカチュウも、ティファも、1も、最初期から候補に入っているという点で、他より回数を重ねる上で有利。 早く参入するほどチャンスは多し。

人間としての”親”を認められる世の中に「そして、バトンは渡された」書評

家族ってなんだろう。 血がつながっているということ?それだけで楽しいときも苦しいときもやっていけるもの? 身近な存在だけに、歪な形を見ないふりしてやり過ごしている家庭も存在する。 きっと大切なのは、血のつながりよりも、もっと根本的な相手を尊重…

”大家さん”も”僕”も、私たちの理想だった―書評★大家さんと僕(矢部太郎)

近所にどんな人が住んでいるのかもわからない。 たくさんの人が住む街で寝起きしているのに、人のあたたかさを感じる間もない。 現代の都会で何の不自由もなく暮らしているにも関わらず、そんなむなしさを覚える人は多い。 心を癒す人間交流を求める暇もなく…

”無駄”が非常時の命運を分ける――断捨離・効率化の功罪

オール電化や断捨離ミニマリスト、電子マネーにキャッシュレス…… 世の中では常に新しい生活スタイルが考案され、世間の耳目を集める。 それらの無駄のないスマートな暮らしは、画期的で魅力的に思える。 けれど、新しい思い切った生活スタイルへと踏み切る前…

ゴミ箱がない日本、ロッカーがないアメリカ★2355毎日が障害物競走より

テロ対策としてゴミ箱を撤去した日本。盗難防止のためにコインロッカーのないアメリカ。両国の風景から「破る人がいるからルールは増える」の実例が見えてくる。

”親になる”以外にも幸せはある―書評★いるいないみらい(窪美澄)

いろいろな生き方が認められつつある現代。 結婚して子どもを産んで育てて一人前、という価値観から離れた人生を選ぶ人も増えてきている。 一方で、 自由に生きたいのに、外野から従来の価値観を押し付けられて苦しんでいる人、 自分自身は昔ながらの生き方…

片付けは人生との対峙だ―書評★姑の遺品整理は、迷惑です(垣谷美雨)

片付けとは、とにかく厄介なものである。 心惹かれて購入したものも、時と共に魅力が色褪せていく。 それでも、手に入れた瞬間のことを思えば、捨てる=二度と手にできない決断はなかなかつかない。 自分の物でも難儀するところだが、他人の物、それも身近な…

この世は異色の集まり―書評★むらさきのスカートの女(今村夏子)

いつもの街で、いつもの電車で、知り合いでもないし話をしたことさえないのに、なぜだか気になってしまう。そんな**他人**に心当たりはないだろうか。 あの人はどんな声をしているんだろう、どんな家に住んで、何をして日々暮らしているんだろう……。 人に言…

拠り所揺らぐ時、人は何思う―書評★日の名残り(カズオ・イシグロ)

人は誰しも、生きていく上で大事にしているものがある。 家族や大切な人とのふれあいだったり、日々取り組んでいる仕事や趣味を挙げる人もいる。はたまた「私はこういう人間だ」という自己評価や誇りといった精神的な実績を大切にしている人も少なくないだろ…