ミッツケールちゃんの「みつける よのなか」blog

世の中のいろんなことを考察して深めたいミッツケールちゃんのブログ。本やテレビ、ニュースについて、あちこち寄り道しつつ綴ります。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

何者にでもなれる種が、人間の中にはある―書評★某(川上弘美)

ファンタジーを介して繰り広げられる、人間の外と内の繋がりの模索という普遍的な問い。「自分らしさ」だと思えるもの、「君ってそんなところあるんだね」と指摘されたもの、それらに沿って我々は生きる。でもそれは作為的な営み。環境との組み合わせでどの…

どれだけ分岐しても私は先輩のそばに―書評★不純文学(斜線堂有紀)

人と人とが一緒にそこにいることの意味が、人生や愛の哲学が、閃光のように頭によぎっては果てていく。ページをめくるたび突飛な設定に驚くけれど、奇跡よりも得難い、運命に配された彼らの愛そのものが、いずれの先にも見える。

グローバル化という暴力の源泉は私たちの中に―書評★熱源(川越宗一)

読みづらいアイヌの名前が漢字表記になると読みやすくなる。無意識に感じたこのことは、「高度な文明」がそれ以外を従わせる暴力の端緒そのものだ。私たちは強者であることを普段は意識しない。全体の効率を考えれば、皆が一つの標準に沿う方が無駄がない。…